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365日小説〜毎日なにかの特別な日〜

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毎日、何かの記念日だったりします。 その日の記念日をお題にした、掌編小説集になっております。
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#小説

『2つの1つ』(11月18日・「雪見だいふくの日」)

「あちゃー」  電車を降りて駅前の駐輪場に行くと、自転車が10台くらいドミノ倒しになってい…

如月新一
6年前
8

『私のエースパイロット』(11月16日・「幼稚園記念日」)

 子供は私じゃない。  私の意思とは無関係の生き物だ。  血を分けたし、お腹の中で育てた…

如月新一
6年前
10

『僕はかけら』(11月15日・「七五三の日」)

「お前、全部笑ってないな」  壁にかかっている写真を見て、加賀美辰彦はハハッと笑った。 …

如月新一
6年前
11

『宇宙からの落し物』(11月14日・「いい石の日」)

「やめてよ! それは大切な石なんだ!」  僕がお願いをすると、それを待っていたかのように…

如月新一
6年前
10

『飛べなくても、あの場所へ』(11月13日・「飛べない鳥の日」)

 会社からの帰り、電車に揺られながらニュースサイトをチェックしていたら、友人の名前が目に…

如月新一
6年前
17

『新しい皮膚、新しい自分』(11月12日・「いい皮膚の日」)

 俺には、新しい皮膚がある。  自分の全身を覆っていて切り離せないものだ。  朝起きて、…

如月新一
6年前
8

『初めてのポキポキ』(11月11日・「ポッキーの日」)

 誰も来なかったらどうしよう。  駅の改札前で、スマートフォンを握りしめて、30分待っている。冷や汗が流れ、ハンカチで拭った。  子供の頃からわたしはうまくおしゃべりをすることができなくて、いつも黙ってしまうタイプだった。話を切り出すのが苦手だし、相槌を打っても、次の話題に繋げることができない。  歳を重ねて、高校生になったら変わるかもしれないと思ったけど、全然変わらなかった。相変わらず、引っ込み思案のままだ。だけど、高校二年生になって、人生で初めてわたしと仲良くしてく

『深夜の壊れたメロディ』(11月10日・「オルゴールの日」)

「え? 浮気してなかったんですか?」 「はい、浮気してませんでしたよ。何度質問されても、…

如月新一
6年前
11

11月9日は「119番の日」(365日小説)

 僕であったものが燃えていく。  ほっとするけど、胸騒ぎもするし、ワクワクもする。  め…

如月新一
6年前
10

11月8日は「いい歯の日」(365日小説)

 家を出る前、洗面台の鏡を見る。唇を横に引き、目を細めてにっこり笑う。  わたしの笑顔は…

如月新一
6年前
15

11月7日は「鍋の日」(365日小説)

「終わった、絶対に無理だ、そう思いました」 「やー、確かに今回はマジで放送間に合わないか…

如月新一
6年前
14

11月6日は「お見合い記念日」(365日小説)

 中学校の頃から十三年間付き合っていた恋人に振られ、傷心した自分がお見合いをするなんて思…

如月新一
6年前
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