マガジンのカバー画像

365日小説〜毎日なにかの特別な日〜

13
毎日、何かの記念日だったりします。 その日の記念日をお題にした、掌編小説集になっております。
運営しているクリエイター

#短編

『鬼のつかの間』(11月17日・「将棋の日」)

 パチン……パチン、と乾いた音がする。  本気で戦っているのに、その音はあまりにも静かで…

如月新一
5年前
8

『僕はかけら』(11月15日・「七五三の日」)

「お前、全部笑ってないな」  壁にかかっている写真を見て、加賀美辰彦はハハッと笑った。 …

如月新一
5年前
11

『宇宙からの落し物』(11月14日・「いい石の日」)

「やめてよ! それは大切な石なんだ!」  僕がお願いをすると、それを待っていたかのように…

如月新一
5年前
10

『飛べなくても、あの場所へ』(11月13日・「飛べない鳥の日」)

 会社からの帰り、電車に揺られながらニュースサイトをチェックしていたら、友人の名前が目に…

如月新一
5年前
17

『新しい皮膚、新しい自分』(11月12日・「いい皮膚の日」)

 俺には、新しい皮膚がある。  自分の全身を覆っていて切り離せないものだ。  朝起きて、…

如月新一
5年前
8

『初めてのポキポキ』(11月11日・「ポッキーの日」)

 誰も来なかったらどうしよう。  駅の改札前で、スマートフォンを握りしめて、30分待ってい…

如月新一
5年前
9

『深夜の壊れたメロディ』(11月10日・「オルゴールの日」)

「え? 浮気してなかったんですか?」 「はい、浮気してませんでしたよ。何度質問されても、答えは同じです」  そう報告をすると、依頼人の曽根川美帆は腕を組み、神妙な顔をした。訝しげな視線で、調査報告書と俺を交互に見ている。浮気調査の仕事は、黒なら話が早いが、白だとこうやって疑われてしまって辟易とする。 「この一週間調査しましたけど、ちゃんと会社で働き、残業して、まっすぐご自宅のマンションに帰っていましたよ」  真面目に働いて、疑われていたらかわいそうなことこの上ない。俺も

11月9日は「119番の日」(365日小説)

 僕であったものが燃えていく。  ほっとするけど、胸騒ぎもするし、ワクワクもする。  め…

如月新一
5年前
10

11月8日は「いい歯の日」(365日小説)

 家を出る前、洗面台の鏡を見る。唇を横に引き、目を細めてにっこり笑う。  わたしの笑顔は…

如月新一
5年前
15

11月7日は「鍋の日」(365日小説)

「終わった、絶対に無理だ、そう思いました」 「やー、確かに今回はマジで放送間に合わないか…

如月新一
5年前
14

11月6日は「お見合い記念日」(365日小説)

 中学校の頃から十三年間付き合っていた恋人に振られ、傷心した自分がお見合いをするなんて思…

如月新一
5年前
19