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『あくまでも探偵は』シリーズのおはなし

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2021年1月15日『あくまでも探偵は」発売 2021年1月24日重版&シリーズ化決定 しかし、あれから一年が過ぎてもまだ、続刊は発売されていない。 チームは今や半分以下。彼らに… もっと読む
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2020年8月の記事一覧

クビキリ(2稿-3)

クビキリ(2稿-3)

       3

 傍に立っている男子生徒を見て、思わず息を呑んだ。

 彼の白と黒が印象的だった。傷やにきび跡の一つもない白い肌、そして対照的な濡れ羽色をした柔らかそうな髪をしている。僕を見下ろす彼と視線がぶつかる。切れ長の二重瞼をしていて、冷たくも温かくもある印象を受けた。同情するように目を細め、安心を誘うような笑みを浮かべる。

 中性的な顔立ちなのだが、精悍な男らしさがある。イケメンと言

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「クビキリ」(2稿-2)

「クビキリ」(2稿-2)

      2

 十六歳、高校二年生の僕は犬を探している。探しているのは白い中型犬だ。家に帰り、犬が尻尾を振りながら駆け寄って来たら嬉しいだろう。家族が待っているというのは良いことだ。

 だけど、僕は犬を、新しい家族を探しているというわけではない。
 そもそも探しているのは他所の犬だ。

「すいません、すいません」

 校門のそばに立ち、下校する生徒たちに声をかけながら紙を差し出して行く。

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「クビキリ」(2稿-1)

「クビキリ」(2稿-1)

       1

「殴られたことはあるか?」

 十六年感の人生を回想しながら、「ない」と僕は答える。

 子供の頃に父と母は離婚していて、父親から殴られたことはない。大らかな母親は僕を打ってしつけをしたことがないし、悪さをしないから先生の体罰を受けたこともない。

 弱そうに見えるからいじめられかけたこともあるが、無視をするとか仲間はずれにするとか、嫌がらせをされるという感じだ。殴られはしない

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続1話目修正を始めましょ!

続1話目修正を始めましょ!

※ご注意 本編のネタバレがございます。
コチラの▶︎作品と合わせて
お楽しみいただけますと幸いです。

登場人物紹介
如月:リデビュー賞を受賞した作家
河北:講談社タイガの編集長
泉:講談社タイガの編集者
佐渡島:コルクの如月担当編集者

如月:1話目のつづきを書きました! これで1話目の初稿は終わりです。
お手すきの際にお読み下さいませ…!

佐渡島:まとめて読んだよ。流れはいいと思うのだけど、

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1話目修正を始めましょ!

1話目修正を始めましょ!

※ご注意 本編のネタバレがございます。
コチラの▶︎作品と合わせて
お楽しみいただけますと幸いです。

登場人物紹介
如月:リデビュー賞を受賞した作家
河北:講談社タイガの編集長
泉:講談社タイガの編集者
佐渡島:コルクの如月担当編集者

如月:1話目冒頭を書いてアップしました(1話目の1〜4らへん)ので、お手すきの際にお読みくださいませ…!

佐渡島:ここまではかなりいい感じで、先が読みたくなる

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続プロットを直しましょ!

続プロットを直しましょ!

河北:ラスボスが悪いってわけじゃないですよ。
一巻を読み終わったあとの爽快感は欲しいですしね。簡単に言うと、ラストで「驚かす」「すっきりさせる」「謎解きがある」等のカタルシスをどこに置くか、も考えた方が良いですよ!

如月:にゃるほどにゃるほど。
じゃあキャラの距離感の変化と、四話目、最終話どうするか考えますね。

河北:平と森巣は、中身のタイプは全然正反対ですが 平は凡人としての善性から正義を行

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プロットを直しましょ!

プロットを直しましょ!

登場人物紹介
如月:リデビュー賞を受賞した作家
河北:講談社タイガの編集長
泉:講談社タイガの編集者
佐渡島:コルクの如月担当編集者

如月:まずこの小説って、御手洗潔シリーズの短編集みたいな独立した短編集なんですよ。
連作短編集になるってことを意識しないで書いたので、それを直したいんですよね。
個人的には「一冊読んでいい体験をした! このキャラたち好きだ!」って思ってもらいたいので。

泉:縦軸

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書籍化に向けて動きましょ!

書籍化に向けて動きましょ!

登場人物紹介
如月:リデビュー賞を受賞した作家
河北:講談社タイガの編集長
泉:講談社タイガの編集者
佐渡島:コルクの如月担当編集者

如月:今、小説界は未曾有の危機に陥っています。小説が売れない。読まれない。小説は終わった、オールドメディアだ、と言われることもあります。
本当にそうでしょうか。小説に未来はないのでしょうか。

河北:如月さん、突然どうしたんですか? っていうかそれ。

如月:私た

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