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2巻の修正をしましょ! !

泉:はい、というわけでお待たせいたしました!!

 昨晩寝る前に受賞時のあく探を思い返して「別次元では???キャラってどうすればとか言っていたのを飛び越えて、いまや二人のキャラが私の想像の遥か先を行ってるぞ???」となりました。

如月:へへへ、僕を褒めても二千円しか出ませんよ。

泉:頼もしすぎます。ひとつ壁を越えたんだから、次はもっと大きい壁をもっと早く越えられると確信しています!

如月:へへへ、ありがとうございあます。

泉:あれ、二千円は?

如月:今ので減額です。

泉:(舌打ち)では、本題。全体的に進行がちょっとずつ遅いので、物語の体感速度を上げてもらいたいです。決めのシーンとそうでないシーンのメリハリを意識してもらいたいところ。

 具体的には、丁寧なシーンと小気味よいシーンの差別化、冗長になっているセリフの応酬の調整。無駄な文章削りとセリフの圧縮が必要かと。

如月:体感速度、ですか。テンポってことですかね?

泉:テンポもありますが、展開の速度もありますね。今って、どの媒体でもそうかと思うんですけど、遅いと読者が飛ばしたくなるといいますか、早いものが求められているんですよ。

如月:あー、実は最近、名作と呼ばれる小説を読んだんですけど、100ページくらいまで特に何も起こらなくて、遅いなあって思ったんですよ。こういうことですかね?

泉:ですです。あとはまあ、各話でちょこちょことありますが、大きなものはありませんでした!!

如月:いー、ありがとうござまいます!!
 読み返して思ったのですが、結構自分を削るお話になったので、とても思い入れがある作品になりました。

 昔は全部想像で書いた方がすごいって思っていたんですけど、まあ今でもちょっとは思うんですけれど、僕は自分の経験や考えで物語を書くんだなあと。

 平も、1巻書いた時よりもすごく好きなキャラクターになりました。主人公になったなあと。

泉:しっかり、文章に現れていると思いましたよ!!

如月:では、わかりやすさを強く意識して、無駄を排して密度・強度を上げたいと思います!

泉:今回のステップを進める上で、おそらく不可欠なのが「同じことを記述する上での最小情報量に削り込む」という作業だと思っています。

 これは、綾辻行人さんや東野圭吾さんなど凝ったミステリを高度に行う人が全員持ち合わせているスキルで、今回のストーリーの魅力を最大限使うために、ものすごく有用だと思います。

 (綾辻さんとか、鬼ですよ。要所要所で細かい演出をするために、それ以外はこれ以上ないってくらい簡潔でそれでいて味気なくない文章を、版面レベルでコントロールして書くので……

如月:綾辻先生の文章、すー---ごく読みやすいですもんねえ。

 ジャンル的に、良いミステリを捻り出さないと、読んでもらえないのでは? とずっと唸っていたのですが、自分と読者の双方が”好き”と思うものを考え、読みたいと思われるものを書き、良い小説にしていきたいと思います!

泉:いいミステリはそもそもいい小説でもあって、まずは読者の楽しめるいい小説であることが、巡り巡っていいミステリであることへの近道だと思います! 楽しみにしていますね!

原稿の修正は着々と進む。
2巻発売に関して、大きな壁はもうないかな。
……如月はのんきにそう思っていた。

『あくまでも探偵は もう助手はいない』(講談社タイガ)
2022年3月15日(火)発売!!

ご予約、応援、なにとぞよろしくお願いいたします…!

つづく!

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