2巻を書きましょ!
2021年1月15日『あくまでも探偵は』発売
2021年1月24日『あくまでも探偵は』重版&シリーズ化決定
しかし、一年が経過した今もまだ、2巻は発売されていない。
如月:――終わりだ。
これで、最後だ。やっと、終わる。散っていった仲間たちよ、見守っていてくれッ!
泉:如月さん、とうとう、終わったんですか。
如月:ええ、ついに終わりましたよ。『バイオハザード ヴィレッジ』1週目、クリアです!!
泉:バ、バイオ?
如月:徳を積んでいたおかげで、ヨドバシに寄ったらPS5が買えたので、折角ならやってみようかなと。
FPS初心者なので、村に着くまでにめちゃくちゃ酔ってやめたんですけど、1日30分コツコツ続けていたおけがで、やっとクリアしましたよ!!
泉:まあ、ゲームも大事ですよね。ゲームをやったからこそ、元気になったり、アイデアが思いつくこともありますし。
で、原稿の方はどうですか?
如月:元寇? ああ、『ゴーストオブツシマ』のことですか? あれは、まだクリアしてないです。島の下半分は終わりました。
泉:いや、2巻の。
如月:ニカン? ああ、律令制の神祇官と太政官のことですか?
泉:わかりづらいボケを。二官じゃなくて、『あくまでも探偵は』の2巻のことですよ。
如月:泉さん、書けていると思いますか?
泉:失礼ですが、思えなくなってきました。
如月:・・・・・・。
泉:嬉しいニュースが続いて、「100巻目指しますわ。ガッハッハ」って豪語していたあなたはどこへ行ったんですか?
如月:こ、これは違うの! だって、だって!
寂しかっただけなの! ゲームはただの遊びなの!! 本気じゃないから!! 大体、泉っちも悪いんだからね!
河北さんがタイガを移って小説現代の編集長になったし、僕がコルクを抜けたから佐渡島さんもチームから外れたし、今は僕たち二人だけでしょう?
それなのに、全然連絡もくれなくて! 僕たちは原稿を渡すだけの関係なんですか? ただのお仕事で僕とやり取りしてたってこと?
泉:いや、まあ、それはそうなんですけど。仕事だし。
如月:ひどい!! ひどいよ泉っち! チームから人がいなくなって、僕がどれだけ心細かったか!!
泉:なるほど、心細かった、と。
如月さん、今の私は誰に見えますか?
如月:え? 泉っちは泉っちじゃん。
泉:違います。私は今や、講談社タイガ編集長の泉です。
如月:…編集長?
泉:虎視眈々と進めていた計画が成功し、河北さんから何もかもを奪った今
河北さんが小説現代に異動になった今、この私が長です。BOSSでありフィクサーであり、ゴッドです。
如月:…GOD
泉:編集長のこの私とのサシ、これでもまだ、このチームが心細いですか?
如月:(ご、後光を放っているッ!)
編集長泉が、この世の闇を打ち払うほどの眩い光を放った。
権力・権威、長いものには巻かれておこうという如月には、効果がばつぐんだった。
如月:はっ、僕は一体何を。こ、ここは?
泉:あなたは原稿をせずにゲームをしていたんですよ。
如月:なにをそんなバカなことを。あるわけないじゃないですか。
泉:プレステのログを見てださい。
如月:はっ! ほ、本当だ!! それに、switchも! 僕はこんなにやりこんでいるのに、スマブラで誰もVIP入りさせてないなんて!
泉:いや、恥ずかしがるところはそこじゃないですよ。
でもまあ、いいでしょう。
私も編集長就任の儀を執り行うためにデルポイに行ったりして、如月さんへの連絡が遅くなってましたし。
如月:じゃあ、わだかまりもなくなったし、1000文字超えましたし、茶番はこのくらいにして、始めますか。
2巻執筆の打ち合わせってやつを。
泉:そっすね。始めますか。2巻のネタバレにならないようにしつつ、やっていきましょう。まず、何かお悩みのことはありますか?
如月:そうですね、まず根本的な話として、2巻を書くっていうことが初めてなんですよね。
なのに、あまりシリーズものの小説を読んできてないんですよ。
島田荘司先生の御手洗潔シリーズは好きなんですけど、つづきものって感じじゃないですし。
泉:なるほど。如月さんは、2巻では何を書く予定ですか?
如月:まあ、ミステリだし事件ですよねぇ。密室とか凝ったトリックとか?
泉:如月さん、密室とか凝ったトリックが書けるんですか?
如月:編集長は何言ってもいいわけじゃないですよ!
泉:如月さん、『あくまでも探偵は』は、「森巣と平の物語」ですよ。
二人の感情線はありますか。そのための紙幅は、シーンは、セリフは想像できますか?
如月:あー--
泉:読者が期待するのは事件ではなく、モリスと平の物語ですよ!
二人のどういう展開を期待させて、どう裏切るのか。
あるいはそれを超えるのか、予想以上の密度で想像どおりに進めてあげるのか~~
満足感に直結する部分を、ぜひとも導線を引いていただきたいのですね!
如月:なるほど。とりあえず、事件を考えないと何書いたらいいのかわからなくて不安なんですけど
森巣と平が何に挑み、どうなるか? をメインに考えますね。
泉:例えばですが、ラブコメで最初に喧嘩してから仲良くなるのは、予想と心地よい裏切りを一番コスパよく実現できるからです。
二人の物語の導線をぜひぜひ知りたいです!
読者の期待を想像してみていただけると、一気に跳ねると思いますよ!
如月:では、二人の感情や関係性がどう変化するのか、をメインにちょっとプロットを考えてみますね!!
泉:楽しみにしております!!
かくして、二人の戦いが再び始まった。
本来であれば、完成するのか! 発売されるのか!? と引きを作りたい。
しかし、これは宣伝活動の一環である!!
なので、声を大にして言いたい。
『あくまでも探偵は もう助手はいない』(講談社タイガ)
2022年3月15日 発売決定!!
二人の戦いを見守っていただきつつ、本編をお楽しみいただけるその日まで……
つづく!