しょうせつ道14(コロナ禍出版編)
ご無沙汰しております、作家の如月新一です。
前回の更新が2019年の5月だった。今は21年の1月だ。
更新頻度が遅すぎでは??
1年以上、私は何をしてたのか? 講談社のリデビュー賞の受賞報告をしてから、間が空きすぎじゃないか?
小説を書いておりました!
『あくまでも探偵は』(講談社タイガ)が1月15日に出版されました!
本当は、「本が出た! やったぜ!!」とただただ喜び、舞を踊って腰を痛めて、普段運動しないんだからやめときゃよかったと唸りながら過ごそうかと思っていたのですが、そういうわけにもいかなくなってしまいましたね。
新型コロナウィルスの流行
まさか自分の生きている時代に疫病が流行るなんて想像してなかったですよ。地元の横浜港に船が来た時、あーあの船かあ、乗っている人たちは大丈夫かなあと眺めていたのですが、まさかこんなに長く続いてしまうとは。
新型コロナウィルスについて思うことはあるんだけど、それは独立した考えだから、ここでは書かないことにするよ。書きたいことはそれについてじゃないからね。とても心配はしているけど、不安をあおりたくないし。
対策を取りながら、みんなの息災を祈っているよ。本当に。
僕は小説家なので、たいがいが家に引きこもって原稿を書く生活を送っている。それでも気が滅入る日々だ。友達にも会えないし、原稿で書く予定だった場所への取材もできなかったから、小説の内容をどうするかも大変だった。
そこにきて、緊急事態宣言と発売時期が重なり、リデビュー賞受賞作という本を、勝負作となる2作目を出す予定だった僕は、結構ショックを受けた。
新型コロナに罹患した人や医療従事者の人たちに比べたら、お前はその程度で「大変だった」って言うのか! と思う人もいるかもしれない。
でも、大変なんだよ。すごく孤独を感じたし、そういう日々の中で心がすり減るのを感じた。
コロナ罹患者、医療従事者、接客業、ミュージシャン、アスリート、テレビのニュースで取り上げられる人たちだけが大変なわけじゃない。僕もそうだし、みんなも大変な辛い目に遭っていると思う。過酷な生活に気が滅入っているんじゃないかと心配している。何が起きても、生活は、人生は続いてしまうからね。
そしてまた、終わりも、いつも隣にいる。
じゃあ、僕にできることは何か?
誤解を恐れずに言うと、東日本大震災の後でも、新型コロナウィルスが流行している今でも、僕にできることは変わらないし、やりたいことも変わらないんだ。
ただ、小説を書くことしかできない。でも、それでコロナを鎮めることができるわけがない。役立たずだよ、まったく。だけど、小説を書きたいんだ。
僕の生き方は変わらない。そういう覚悟を持って小説家を始めたからね。
僕が小説を書く理由は、僕が書きたいからだし、人に読んでもらいたいからなんだ。小説は、物語は、病気を治すことはできないよ。
でも、孤独に寄り添うことはできると信じてるからね。
「君は一人じゃないよ」
上の一文だけ読むと、嘘くせえって鼻白むけど、小説だったら僕はちゃんとそう伝えられると思うんだ。
コロナ禍の出版について
さっきも書いたけど、新型コロナウィルスの流行と緊急事態宣言が新刊の発売時期と重なって、不安は大きい。
本は食べ物と違って腐らないし、いつでも買えるからいいじゃないか、っていう考え方の人もいると思う。そういう考え方を否定はしないよ。でも、作家としてはちょっと思うことはある。
外出自粛で本屋さんに行かない人が増えると、書店の新刊コーナーに置いてある自分の本を手に取ってくれる人が減って、読んでもらえないということは想像できる。
あと、本の売り上げを見ながら話をする方もいるので、
「このくらいしか売れない作家なら・・・」
「売れるようになってからお願いします」
とすげない感じで一緒にお仕事をさせていただけない方もいたし、僕はデビュー作が
「今の売り上げだと続刊は厳しいですねぇ」
で終わってしまったから、売り上げってのは、作家としては考えないといけないことだったりする。
わかるよ! 「売れねー」って泣き言を聞きたくないよね。僕も憧れのロックスターが「売れねー」って言ってたらちょっとやだもん。カッコつけてなんぼだよね。
売り上げを気にする事情は書いたけど、別に泣き言を言いたいわけじゃないんだ。だって僕は、どんな時でも小説を書くつもりでいるからね。
話が少しそれるけど、僕の大好きなミュージシャン、山中さわおさんは、去年怒涛の8タイトルリリースをした。笑っちゃったよ。格好良すぎて。
運が悪い! ってだけで何もしないのはどうかと思うんだよね。どんな状況でも、小説を書くことと、作家であり続けるための努力はするべきだと思うんだ。お前は覚悟を決めて作家やってんだろうが!! って自分の声がするからね。
売り上げっていうとなんか下品な感じがするけど、祈りを込めて書いた小説だから、たくさんの人に読んでもらいたい、っていうのが僕の本心なんだ。届けたい。
キャンペーン開催
というわけで、実はtwitterでキャンペーンやっていたりします。
(お、思い出したように敬語を使いだしたぞ)
こちら、もう終わってしまったのですが、私のオリジナルサインを考えて発表していただいた方の中から、抽選で3名様にサイン本をプレゼントという企画をやり、ありがたいことに14名の方が参加してくださいました!
コチラ、ただいま開催中です!
どんなキャンペーンかと申しますと、
・ご購入いただきました書籍のタイトルページの写真or電子書籍のスクショ
・サインを入れる宛名
・#あくまでも探偵はリモートサイン
の3点をtwitterでツイートしていただいたら、私がデジタルでサインを入れさせていただいてお返しするという企画です。
1月31日(日)いっぱいまでですので、よろしくお願いいたします!
詳細はツイートもしくは画像をご確認ください…!
(本名のサインがご希望の方はDMをくださいませ…!)
夜の8時くらいから、サイン会っぽいかなと配信をしながらサインを書かせていただいております🎙 受け付けは24時間しております!
こんなご時世なので、ご購入いただいた方にお礼をしたいと始めたのですが、たくさんの方からご参加いただいており、ありがたい限りです。
もしよろしければ、この記事を読んでくださっているあなたも、この機会にぜひご購入いただき、ご参加くださいませ…!
なんだよ、最後は宣伝かよ! という気もしますが、宣伝だよ!!!
だって何もしないで、「コロナのせいで読んでもらえなかった!」なんて言うのは嫌じゃないか。
編集さんたち、校閲さんたち、イラストレーターの青藤スイさん、装丁の川谷デザインさん、携わっているみなさま、みんなで頑張って作った小説だから、届けたいんだ。応援してくださっている方たちもいて、本当に感謝しかないよ。
できることは、しないとね。まだまだがんばるよ。
あと、本当に、こんな大変な時期に、僕の本を読んでくださった方に、お礼をしたいんだ。リモートでもよければ、サインが欲しいと思っている方に、きちんとお返しをしたいと思って始めました。
『あくまでも探偵は』(講談社タイガ)
別に、コロナ禍を予期していた! とか、こんな時代だから! っていう小説じゃないんだけど、どんな時に読んでもお楽しみいただける小説になったと思っております。
いや、やっぱり、こんな時代だからこそ、小説を、物語を必要としている方が多いと思いますので、届くことを祈っております。
そっと投げるから、どうかキャッチして。
少しでも、拙作で気を紛らわせていただいたり、楽しい時間を過ごせてもらえたら、そして心に残る小説になることができたら、こんなに幸せなことはないです。
【あらすじ】
この優等生、危険――!
「謎を解けば、金になる」
「悪党が這いつくばるのは気分がいい」
そんな彼の相棒候補は――平凡な僕!?
クールでPOPな高校生バディ、令和の青春ミステリはここから始まる!☆☆☆
「森巣、君は良い奴なのか? 悪い奴なのか?」
平凡な高校生の僕と頭脳明晰、眉目秀麗な優等生・森巣。
タイプの違う二人で動物の不審死事件を追いかけるうちに、僕は彼の裏の顔を目撃する。
その後も、ネット配信された強盗と隠された暗号、
弾き語りする僕に投げ銭された百万円と不審なゾンビ、と不穏な事件が連続。
この街に一体何が起こってるんだ!? 令和の青春ミステリの傑作!
(イケてる挿画は青藤スイさん かっちょいいデザインは川谷デザインさん)
【Amazon】
https://www.amazon.co.jp/dp/4065221609/ref=cm_sw_r_tw_api_fabc_UJ6.FbM573QV4
【書店さん】
なんか、久々の記事だから、前とずいぶん文体が違うぞ!
ふふふ。次はまた早めに更新しますね。
※追加
なんだか悲観的な文章にも読めてしまうけど、売れてない泣 ってわけじゃないんだ。すごくありがたいことに。詳しいことはまた次回。
ただ、もっとたくさんの人に届けたいから、まだまだがんばるよ、と思って。応援してもらえると嬉しいです…!
ではではまたまた、みなさんお元気で!
生き延びて、会いましょう!