如月新一のしょうせつ道9(さよならデビュー編)
少し間が空いてしまいましたが、つづき書かにゃと思い、筆を取りました。このあたりは、結構ヘビーなので気が重かったのですよ。あと、変に悪口っぽく取られるのも嫌なので気をつかい。最初の編集さんには、とても感謝をしているのです。
フレッチャー先生と出会い、文章修行をし、賞を介さないデビューのための作品作りが始まりました。
だいたい、一月に一短編送ってまとまったら本にしよう、という流れです。
ずっと頭の中にいた主人公がいました。
僕は元から正義よりも悪役に惹かれる傾向があり、ヤングモリアーティを書きたいなとずっと思っていました。彼には洞察力と計画力、たがが外れているけど信念がある。事件を解決するけど、正義か悪か判然としない、そんな人です。
約半年間、原稿を送り、合計6話書き上がり、僕の中のテーマも描けたし、キャラクターも活躍してくれたと手応えを感じました。
ここから修正作業です。1話目から小説を直していこう、と言う流れになりました。
直したら、次の雑誌でデビューをさせてくれる、という話になりました。
僕は気合いを入れて直しに挑みました。全体のバランスを意識し、調整を試みました。
結果は、「元に戻ったね。全然ダメ。あなたは調子に乗っちゃったんだよ」というものでした。
編集さんと喫茶店で話をしながら、僕は何がダメになっているのか全然わかりませんでした。頭は真っ白です。編集さんが言っていることが、全然理解できませんでした。
細かいことは割愛しますが、要はボツです。
「新人の誰それを切った」というような話を聞いて戦々恐々としていたので、素直になるという戦略をとっていました。読めと言われたら読み、書けと言われたら書く。
でも、ここでやっと、僕はイエスマンになりすぎていて、編集さんの言うことを理解しきれていなかったのだとわかりました。
上手くコミュニケーションが取れていなかったのです。
さよならデビュー。
ここから、何が起こったのか。
僕はなんにも感動しなくなりました。
真っ白な世界にぽつんと立っているような気持ちです。
小説を書いている間が地獄だと思っていましたが、本当の地獄、無感動期のはじまりはじまり。
今日はこのへんで。
ではではまたまた