ゾンビスクール感想

悪いゾンビはおしおき!『ゾンビスクール!』

映画感想シネマパラダイスの6本目は

『ゾンビスクール!』だァー!!

もし、大切な人がゾンビになったらどうする? 

ためらっちまうようなぁ。食われてやるか、殺して楽にしてやるか、とか葛藤する。引き金を、引けるのか? 俺に!?

もし、むかつく奴がゾンビになったらどうする?

俺なら、秒で撃つね。

ゾンビ映画っつうのは、もはやホラーっつうよりもゾンビ映画っていう一つのジャンルだよな。正直さあ、ゾンビが出て来ても、「怖っ!」とは思わないよな。それよりも、歩くの? 走るの? どんな特殊な設定なの? コメディなの? 人間ドラマなの? とかってのが気になるところよ。

ゾンビ映画の歴史をさらっと言うと、まずジョージ・A・ロメロ監督が『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』っていうゾンビ映画を作って、それがカルト映画の火付け役になったんだ。大衆商業主義の映画から、一部のファンに受けそうな血みどろムービーが支持されるようになったのさ。

ゾンビ映画ってのは、政治映画で反権力を志向した映画とも言われている。要は、コントロールできない存在として「ゾンビ」に対する、理性とか知性を持ってる「人間」っていう構造だな。反ベトナム戦争、とかって見え方もできるんだ。
これは、俺の先輩の言葉なんだけど、「異常事態を想定することで、我々が日常的に信じている国家や正義・人間を一度解体する体験を映画から得られる」んだ。(ゾンビ映画大好き先輩は良いことを言うぜ)

ふむ、なんかゾンビ映画ってのは奥が深そうだよなって思ってもらえたかな。『ゾンビスクール!』のゾンビはなんのメタファーなんだろ? って気になってもらえたかな。今回のゾンビは

むかつく手に負えないキッズだ

主人公のクリントは、小説家になる夢を抱えたまま、地元の小学校の臨時教師になる。懐かしいなぁとか思いながら学校に行くと、生徒から車にいたずらをされたり、「性的いたずらをされたって言うぞ」と脅迫される。
かつての同級生と同じ教師として再会したけど、同級生には体育教師の彼氏がいるし、やれやれって感じよ。
そんな中、フライドチキンを媒介にしたゾンビパンデミックが発生する。今回の映画のゾンビは、みんながゾンビになるわけじゃない。思春期未満のキッズだけ、つまり大人はゾンビにはならない設定なんだ

クリントたち学校の先生が一致団結して、手に負えないキッズゾンビをぶっ殺して生き延びようと奔走するってのがこの映画のあらすじさ。

結構コメディ寄りの映画で、観ていて楽しい感じよ。銃がないからピッチングマシーンの野球ボールでゾンビキッズをやっつけていくのが痛快だった。あと、聞き分けの良かったキッズがゾンビに感染してないっていう良心(?)もよかったよ。良い子はゾンビになりません…!

印象深かったのは、先生たちが立てこもってるシーンさ。「教師」という社会的に身分が低い、友達にもバカにされてる、みたいな愚痴をこぼす。おまけに、ませた生徒からもバカにされ、対抗できない。辛いよなあ、と同情しちまう。

だけど、話し合う中で、教師という職業にプライドを取り戻して行く。教師はすごいんだぞ! とみんなで励まし合う。元気が出る! 絆が深まる! だから、ゾンビキッズを消火器でボッコボコに殴る!!

『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのイライジャ・ウッド(ホビット役)が製作総指揮をして、主演をしている。どんだけこの映画を作りたかったんだよって感じさ。見る前は地雷臭がしてたけど、観て観たら、意外と悪くないじゃんって感じの映画だったぜ。ちょっとバカな体育教師とか、謎の中国人用務員が出て来て、悪くなかったなぁ。
アメリカの学校で上映会をやったら、先生は絶賛したらしいぜ。わかる。

失われた誇りを取り戻し、正面から戦いを挑み、活路を切り開く

それを見せてくれる映画さ。

『ゾンビスクール!』以上ッ!
ではではまたまた

【ジョナサン・マイロット監督の他のおすすめ作品】
観てないのでわからない。すまぬ。
【コメディ系ゾンビ映画】
『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004)
『ゾンビーノ』(2006)
『ゾンビランド』(2009)
『ロンドンゾンビ紀行』(2012)

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