巨大な感情同士のすれ違い、切なすぎるだけなのに
日曜日、それは1日原稿をできる日。
なんだけど、低気圧だね。雨だし曇りだし。環境ダメージを受けながら、じりじりと原稿を進めていた。
午前中に谷崎潤一郎の『春琴抄』読み終わった。
1933年の小説のネタバレしていい?
盲目の三味線奏者少女、春琴(14歳)
その従者の佐助(11歳)
身の回りの世話をするだけじゃなくて、佐助も三味線を始めて春琴の弟子になる。
春琴は基本的に佐助に強く当たってるんだけど、佐助は文句一つ言わず、付き従ってる。なんなら、二人は恋仲なのでは? ってなっても、二人は頑なに認めない。
子供もできたけど、親はわからないし、二人とも認めない。
大人になって、春琴はさらに美しくなるんだけど、恨みを買って顔に大きな火傷をしちゃう。
春琴は顔を誰にも見られたくないから、佐助も寄せ付けない。
ああ、佐助どうするんだろうって思ってたら、佐助は自分の両目を針で突いて失明する。
見えないので、そばに置いてと。
すごいよ。巨大な感情が。
私はね、「愛」と呼ぶには歪な感情が好きなのね。
だもんですごくぐっときたんだけど、ただこれは恋慕なのかはちょっと微妙で。
春琴→佐助 への感情がもしかしたら、特別ゆえに辛く当たってもそばにいてくれるっていう幼い確かめ愛情表現なのかもしれないんだけど、
佐助→春琴 への感情は、師への敬愛とか崇拝なのかもしれないんだよね。
読んでてそんな気がして。
巨大な感情同士のすれ違い。引力はあるはずなのに、重ならず、離れてしまう。
切なすぎるよ!!
嗚呼。思い返せば思い返すほど、好きかもしれん。
で、原稿して夕方。
桜木町のストヨコでCOMIC ATLUSっていうラジオ番組のトークイベントがあったから行ってきた。
新井英樹先生が10冊小説を選書して紹介してくれるっていう企画。
大学生の時に『ザ・ワールドイズマイン』読んで、呆然としたよね。すごすぎて。
漫勉とかYoutubeとか、動く新井先生やお話を見たことがあったけど、生の新井先生はあんな破壊的な漫画を描くのにとても穏やかなお方だった。
この小説はここが面白いポイントで、こんな風に「ワールドイズマイン」とか「宮本」とか「キーチ」に繋がってるっていう話が面白かったし、納得しかなかった。
イエスキリストは、「愛」を体現するからすごいんじゃなくて、人を選ばずに優しくて親切だからキャラとして良いっていう話がとても興味深かった。
確かにそうだし、新井先生の漫画に通じていると思う。
分かり合えない人同士だけど、お互いのことを認める感じとかね。
ミュージシャンのノルオブさんがMCをしてるんだけど、お話上手いし、質問も気になることを訊ねてくれてよかったな。
コミックアトラスはリスナーとして訊いてるから、生のノルオブさん見れたのも嬉しかった。
ホットクックでカレーを作った話は、明日するよ。
で、原稿。で、今。
今日嬉しかったこと3つ!
①『春琴抄』の読書満足度が高い。
②新井英樹先生にサインを書いてもらったり、握手していただけた。
③ホットクック、とても良い。楽だ。
本日閉店
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