第2回打ち合わせをしましょ!
登場人物紹介
如月:リデビュー賞を受賞した作家
河北:講談社タイガの編集長
泉:講談社タイガの編集者
佐渡島:コルクの如月担当編集者
如月:お忙しい中、ありがとうございます。
如月:で、まず謝っておきたいんですけど、すいませんでした!
河北:いえいえ! こっちこそ、他の仕事が詰まっていてすいません!
泉:私もです、すいません。
…ところで如月さんは何を謝ってるんですか?
如月:いや、実は年明けすごく体調が悪くて、その時期に粘って書いてたんですけど、読み返したら結構文章が酷くて。
如月:これは、ちょっと4話目を進める前に2稿やっていいですか?
泉:原稿は、健康から、ですね。
佐渡島:納得いってないなら、直していいよ。
その前に、みんなの意見も出し合って行こうか!
河北:この話、冒頭好きなんですよねー、飛んでってところ如月さんのセンスだなあって思いました笑
如月:ああ、それは多分、『あぶない刑事』の影響ですね。劇場版かなんかで、「〇〇万飛んで百十円」みたいのを子供の時に見たんですけど、それを今でも覚えてるんですよね。「飛んで」って言い回しをあれで覚えました。
佐渡島:元ネタを説明できるのいいね。引き出しがちゃんとあるってことだから。
如月:僕は結構すぐに影響を受けるんで、指摘されたら「それ好きなんですよ!」って言いたいくらいですね。元ネタとかバレても全然いいんで。
泉:私は小此木さんとの100万円に関するやり取りもくすりと来ました。応募作verではなかったですよね?
如月:よく覚えてますね。なかったです! ちょっと笑わせたいんですよ。三谷幸喜のシチュエーションコメディが好きなので。今回の話は駅前っていう場所固定の話ですし、書いてて楽しかったです。
佐渡島:改善点の話をすると、まずは初稿はこの話はなんだっけ感があるところかな。
泉:そうなんですよ! 話が脱線すると、何を読んでるんだろう? ってなっちゃいますよね!
河北:そうそう。あと、100万円のことを忘れるの早くない? ってリアリティも落ちちゃうよね!
佐渡島:わかります! あと、本当は結構シンプルな筋だと思うんですけど、トリックがあっさりしてないのも、混乱しちゃうよね!
如月:(ダメ出しで盛り上がってやがる! ちくしょう!!)
如月:(と思いつつ、そこ直せば良くなるんなら、ありがたいぜ)
如月:リアリティの話になりましたけど、半グレグループってのと高校生探偵ってのが食い合わせが悪いような気がしてきたんですよね。
河北:確かに、悪の組織と戦う! っていう物語じゃないですよね。お話のスケール的にも。
如月:半グレってのが生々しいんですよね、やってることが。バイオレンスだし、リアリティが高いので、高校生探偵(仮)っていうフィクションとの相性が、ねぇ。これは個人的感覚かもしれないんですけど。
泉:納得いっていないようなら、半グレっていうのはやめましょう。
泉:あとやっぱり、今の森巣の賢さを出したいので、どこまでこの計画に関わっていたのかも明示したいですね。
泉:この計画って森巣が裏でプランを立てていると思うので、それに対する平くんの心境を描いてあげてほしいです。
平はショックだと思うんですけど、何にショックを受けたのか? を書くべきでしたねえ。森巣が計画したことと、僕のことを何だと思ってるんだ、っていう。
佐渡島:書いてる時に、演出意図を持って書いた方がいいなと思ったよ。
佐渡島:まず、2つ以上を上手く使えるようになったらいいね。
如月:ほう、2つとは?
佐渡島:1つ目はリアリティ
佐渡島:リアリティが、物語の情報を補強してくれる。
佐渡島:2つ目が魅力的な謎
佐渡島:魅力的な謎は読み進めたくなるし、人に話したくなる。
河北:僕もそう言おうと思ってました。
泉:私もちょうどそう言おうとしてたところです。
如月:おい
如月:まあ、さておき、リアリティと魅力的な謎ですか。僕は魅力的な謎を考えるのが苦手なんですよねぇ。
河北:おい
泉:おい
如月:苦手だけど考えますよ! それで魅力的に見えるように演出して書いてみせますわい!
如月:というわけで、3話目の改稿して来るからな! おぼえてろよ!!
つづく