今年読んで面白かった小説まとめの巻
おおみそかだよ、っていう実感がないな。
テレビ見ないしな。
でも、おおみそかだっていうことはわかる。から、やったよ。
大掃除を。
昨日の100円ショップで掃除グッズを見なければやらなかっただろうな。
台所シンクを磨き、ガスコンロとノンフライヤーの油汚れとかを落とし、ホットサンドメーカーのコゲを取り、洗面台とトイレを掃除した。
特に台所周り、定期的にやれよって気持ち is あるんだけど、こう、ね、面倒くさくて。
あと、引越しをしたときに棚とか食器棚に適当に物を置いてたんだけど、いい加減ちゃんと並べるか! と思って整頓した。
調味料を入れとくカゴみたいの欲しいな。
さて、昼過ぎ。
あとはもう、平常運転です。プロットまとめつつ、原稿を。
全部形にしたいね。
おおみそかだし、2024年の面白かったものを振り返るか。
今年読んで面白かった小説。
『君は永遠にそいつらより若い』津村記久子
漫画家の新井英樹先生のトークイベントに行ったのね。
コミックアトラスっていう好きなpodcast番組のイベントで、これまた好きな書店であるストヨコでやったので。
新井先生がおすすめの小説として紹介してて、ネタバレを気にしながら自分がどんな風に感動したかを語ってくださって気になって。
結果、私によってもベスト級だった。ラスト間際、涙が溢れたよ。
私は言葉の人間なんだけど、日頃の生活で無力だなっていつも思うのさ。
伝えるということが難しいし、コミュニケーションだって考えてしまう。
私が小説を書く原体験として、悲しみに暮れている人になんて声をかけたらいいかわからなくて、借り物とか形式じゃなくて自分の言葉で伝えたいからっていうことがあり、それが未だに書く理由なんだよね。
例えば「命って大事だよなあ!」って書くと薄っぺらって思うんだけど、物語すれば伝わるかなって。
で、この小説は相手に人生で色々な人に会ったけどあなたが一番特別で、とても大切に思っているし、どうすれば励ませるか喜んでもらえるか、ということを真面目に悩んで言葉を探して見つからずに落ち込んで、それでもがんばっている主人公でさ、めちゃくちゃ共感して、だからこそのラストに感極まってしまったよ。
……長くなる。から、さくっとずつ書いていい?
いいよ。
『厳冬之棺』孫沁文
高そうな眼鏡にジーンズ、白髪混じりぼさぼさ頭で左耳にはいつもイヤホンをしてる漫画家兼探偵のルックが良すぎる!
『をんごく』北沢陶
文章が上手すぎる。読みやすいだけじゃなくて、情報の出し方や画の見せ方も上手すぎる。語彙と筆致に色気があって格好いい。作家として憧れる。
『冬季限定ボンボンショコラ事件』米澤穂信
探偵は謎を追い、真実を見抜く。でも、それは土足で他人の秘密を暴く行為でもある。
私はその下品さにもやっていて、推理という特殊技能を活かせるなら探偵を肯定していいのか? と考えちゃうんだけど、本作そのテーマがとてもよかった。
小鳩くん、君は愚かで、だから優しくて、とても魅力的な主人公なんだね。
『深淵のテレパス』上條一輝
モキュメンタリーホラーが最近はブームで、私も好きなんだけど、本作はホラー“小説”としてかなり面白かった。スケール感や舞台もワクワクするし、キャラクターたちがみんな魅力的で最高。シリーズ化して! お願いお願いお願いお願い!!!!
『11文字の鑑』青崎有吾
難問に対してロジカルに攻略する、その知性こそが人間の力だ!!! って胸踊った。
謎解き、だけじゃなくてテーマが浮かび上がって更に震えた。最強!!!
『名探偵のはらわた』白井智之
死んでる猟奇殺人鬼たちの魂が生きてる人間に憑依して、事件を起こしてる。主人公たちがその猟奇殺人鬼たちを捕まえる、いや殺して回るっていうお話だけでもぶっ飛んでる。でも、自分を見出してくれた探偵(高潔)がすぐに死んで、その憧れの探偵のガワに入り込んだ別の名探偵の魂(性格悪い)と助手になるって何!?!?!?
白井先生は反道徳なことを、平然とやってのけるな。そこに痺れる憧れる。
『バリ山行』松永K三蔵
ファイトクラブは会社勤めで生きてるんだか死んでるんだかわからなくなってしまった主人公が傷を負って流血と痛みで生を実感するけど、とはいえ、会社での死は恐ろしいだろ!! っていうのが『バリ山行』では書かれていて、いうて仕事を失うこともまあ怖いよな、と読み進めた。
『眼下は昏い京王線です』芦花公園
ダウナーな雰囲気イケメンにヒロインが沼って利用されて、いやいや怪異巡りをさせられる話。でもこれは、恋愛小説だ!! わたしだけが!! あなたを!! 救える!!!
シマくんはいます。
『春琴抄』谷崎潤一郎
師弟間のたった一人心を許している相手への特別の感情がとてもとても良かった。苦しむ師と同じ世界で寄り添うために両目も捨てるという選択を、私は素敵だと思ってしまうんだけど、それが愛情ではなく敬愛だったとしたら寂しくもあるね。
『とらすの子』芦花公園
本の中に人間より怖いものがいて、最高!!!
立ち向かい、あ、敵わないって気づいてからの恐怖、勇気がへし折られて枯れてしまうような絶望感にうっとりしました。死に方も派手派手で素敵!!!!
『死に髪の棲む家』織部泰介
因習のある田舎屋敷ホラーをワクワクして読んだら、胡散臭新宿界隈風狼髪怪談師探偵が出てきてギアが上がった。探偵助手の軽妙なやり取りも楽しいし、妄執に囚われた犯人、謎解き怒涛展開も面白い。読者を楽しませる創意工夫がとにかく凄い!!!
シリーズ化して! お願いお願いお願いお願い!!!!
『わたしたちの怪獣』久永実木彦
4作入った短編集なんだけど、いーーー全部面白かった!!!! 最高。大好き。
表題作も設定から登場人物から終わりまで素晴らしかったけど、どれもずっと面白かったでふ。「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」の読後感がとても幸せ。いや、どの物語も終わりながら始まっていて、素敵。すごく、すごく面白かった。
DVを受けている姉妹、姉が帰宅したら妹が父親を殺していた。時を同じくして東京に怪獣が上陸、捨てるぞ、死体を、怪獣の前に、っていう表題作の設定もすごい。
どのお話も、死とか終わりの気配があって、なんだかとてもそれが好み。好きだーなー!
『ババヤガの夜』王谷晶
対立する場所にいるキャラクター、シスターフッドものとして面白かった。
チンコ切り落とした拷問野郎が、◯◯◯っていう展開が最悪すぎて声出た。
『体育館の殺人』青崎有吾
実は読んでなかった。読みました。ミステリのお手本じゃん!!!
キャラもよければ構成もよければ、ミステリとしてのフェアネスさもよかった。
お手本のような美しさ。構成が本当に美しい。盛り上がる!!!
『イッツ・ダ・ボム』井上先斗
グラフィティアートの世界を全然知らなかったんだけど、読書を通して他人や他人の世界を知るって楽しいね。
第二章からの、アートを通じるバトルになっていく展開はどうなっちゃうんだろう。というか、どういう風に勝敗を決めるんだ? って不思議に思いながら読んだんだけど、テーマと結びついて「すごいものを読んだ」ってラスト、読書体験になった。
以上!!!
今は『円かなる大地』と『二木先生』を読み始めたよ!
来年もたくさん読んでいきたいな。もっと!!!
あ! 小説じゃないけど、『これが見納め 絶滅危惧の生きものたちに会いに行く』は本当に、本当に面白すぎる。
今日嬉しかったこと3つ!
改め
今年嬉しかったこと3つ!!!
①新しい編集さんたちと出会えた。
やー、嬉しい。本当に!!!
準備中のものとか原稿書いて送ったのとかあるから、来年は形にできるようにがんばるね。本当に。本当だよ。
②面白い小説とか映画とか漫画とかアニメを摂取できたね。今年も。
③あ、8月くらいにストヨコで買い物してたら「今!?」っていう新刊出たタイミングでもないのに、私の本を目立つ展開してくださってて、嬉しかったな。
ありがとうございます。もっと、こう、ご期待に応えたい!! ので、がんばります!!
あと、そうね。日々エゴサで感想を目にして、息を吹き返しているよ。
仲良くしてくれたり、応援してくれたり、拙作を読んでくれている方、みなさまありがとうございました。
来年は、形にできるようにがんばるね!!
今年だって一昨年だってがんばってたんだけどね!!!
風向きが変わってきた気がする!!
風に? 波に? 乗れ! とりゃ!!
来年もご贔屓、ご愛顧、よしなによしなに。