俺はいつでも傍にいるよ!『STAND BY ME』
映画感想シネマパラダイスの1本目は
『STAND BY ME』だァー!!
なぜか? それは今日観直したからだァー!!
原作はスティーブン・キングの「THE BODY(死体)」
監督はロブ・ライナーの青春モノ記念碑的名画
「死体」じゃなくて、ED曲の「STAND BY ME」をタイトルにしたのナイスだぜ。
あらすじは、4人の少年たちがエネルギーを持て余し、度胸試しのように「死体を発見してヒーローになろう!」と2日間旅をする物語さ。
町で4人の少年を見かけたら、みんななにを思う? ただのキッズだと思うだろう。だが、彼らにだって抱えているものがあるんだぜ。
ゴーディ:兄を亡くしたばかり。父親は兄に期待していた。兄の死を克服できていない。自分の価値を見出せていないから、何故兄が死に、自分が生きているのかと苦しんでいる。
クリス:アル中の父親と不良の兄を持つ。自分の将来に期待していない。大人からも見放されているし、利用されてる。超不憫な奴だ。
テディ:軍人だった父のことを誇りに思っているが、父が今精神的に病んでしまっている。父のように勇敢でありたいと背伸びをしている。
バーン:太っていてお調子者だが、とても臆病。死体を見つけてヒーローになりたいと思っている。
どうだい? みんな、彼らのことをただのキッズだと思った自分を戒めたいと思わないかい?
以上のように、外見だけではただの子供にしか見えないけど、4人それぞれ何かを抱えているわけだ。
この物語、言ってしまうと死体を探しに行って帰ってくるだけの物語なんだ。なのに、だ。何年振りに観たか覚えていないけど、久々に見たら涙腺崩壊。涙がドバドバ出た。
なんで泣いちまったのか? それは、キャラクターがめちゃくちゃ健気だからだ。12歳の少年が、抱えて、苦しんで、励まし合いながら生きてるからだ!
特に、主人公ゴーディ(優等生)とクリス(不良と見られがち)が二人きりのときに、本心を言い合って健気に励まし合う姿に泣いてしまった。
二人とも、大人から期待をされていないんだ。
「ゴーディは文章の才能があるから作家になれるぜ」「クリスも実は頭が良いんだから、一緒に進学クラスに行こう」「無理だ。俺はそんな大した奴じゃない。大人からも見放されてる」「そんなことない!!」
とまあ、そんな感じのやりとりを、泣きながらしてるんだぜ。こっちも泣いちまうだろう。誰からも期待されてないけど、俺だけはお前のことを認めてるぜ、だから腐るなよ、と言い合える関係って神々しくないか?
相手のことを知り、励まし、成長し、行動してあげる、これが心を通わせるってことじゃないか!?
少年たちの旅とは別に、背後ではクリスの超不良な兄貴たちが迫るサスペンスでもあるんだ。腐ってない少年たちと、腐った奴らが出会ったとき、勇気が試されるわけだ。
で、この映画が素晴らしいのは、心の交流を通して内面の成長を描き、彼らの人生での一番の思い出の日を描いたことだと思う。
正直、ゴーディとクリス以外は成長してない。でも、テディとバーンにとっても、初めて死体を見た日、それも友達と見つけた日、年上の不良たちに絡まれた日となりゃ、思い出の日だろう?
だけどこの映画の一番すごいところは、そんな一番の思い出の日を共有したけど、ずっとつるみ続けるのではなく、連絡がたまにになり、次第に疎遠になる人間関係さ。連絡をしなくても、親友であることには変わりはないし、12歳のあの日は永遠だろ。例え、死別したとしても。
かつてそばにいた友人たちのことを思い出したくなる。そんな映画さ。
あと、個人的にかかる曲がめちゃくちゃ良い。やっぱ主題歌の「STAND BY ME」がよぉ、めっちゃ泣けるのよ。歌詞気にしながら聴いておくれ。
『STAND BY ME』以上ッ!
ではではまたまた
【ロブ・ライナー監督の主な作品】
スパイナル・タップ(1984年)
恋人たちの予感 (1989)
ミザリー (1990)
最高の人生の見つけ方 (2007)
など