ざっくり映画の歴史

ざっくり映画の歴史

映画感想を人に伝えることがある。人と話すと最近なんの映画観た? と訊く。いい加減、周りから映画映画うるさいと思われているので、映画感想のマガジンを始めることにしました…!

でもオタクなので、まずはクロニクルから話します。

昔、友達に映画について教えてと言われて、レジュメを作りました。(サシ飲みでレジュメ出されたら引きませんか? 俺は笑顔で受け取ってくれた友達の懐の深さを忘れません)
以下、ざっくりとした私見のアメリカを中心とした映画のクロニクルです。長いです。ぶっちゃけ映画の歴史を知らなくても映画は楽しめます。ただ、歴史と照らし合わせると面白くない?? というオタクのうざいアレです。

1 映画のはじまり

1895年リュミエール兄弟がカフェのスクリーンに動く映像を上映したのが始まり。
それ以前は覗き箱型のキネマトスコープという動画装置が主流だった。
・覗き箱 → 上映興行へ
19世紀末にエジソンはリュミエール兄弟の上映会成功を聞き、アメリカ版を作成する。エジソン社が映画を支配。

【作品】
疾走する機関車、自然の脅威、風光明媚な景観など
・ エドウィンポーターの『大列車強盗』(クロスカッティングの手法を用いて、ドラマチックさをもたらした。汽車物というブームに)

2 ハリウッド誕生期(1900〜1920年)プロパガンダ、ダダイズム合流

作品性が強くなったので、上映に際して内容が変更されないようにするため、フィルムの販売ではなく貸し出しというスタイルに変わる。

→買えば何回でも上映できた時代が終わり、一回映写するごとに制作者へ支払う契約になる。収益の重心も制作側に映るようになり、盗作や剽窃の歯止めにもなった。また、特定の制作会社と特定の劇場がフィルムの賃貸契約を結ぶようにもなっていった。

業界全体をコントロールしようと、エジソンが特許関係を集中管理する「映画特許会社」を設立。撮影カメラ、使用フィルム、映写機すべてにライセンス制度を取り入れていった。

中産階級と劇場を抱き込むエジソンVS顧客を満足させるために改善しようというニッケルオデオン劇場グループの対立。

・ ズーカーやフォックスの検証によって、観客は長時間の作品でも見るようになっているとわかり、常設映画館の建設が熱望されるようになる。

・ WWⅠ以前は、フランス・イタリア映画を輸入して上映していたが、制作会社が作業できなくなったので、9割以上が国産映画になる。

・ グリフィス(クローズアップ・カットバックなどを初めてやった)が、映画作りの現場を改革。制作部門と技術部門など、内容を考えるスタッフ、上映やフィルム技術のスタッフなど、作品作りの分業化。

・ 『イントレランス』という古代バビロンの映画を作るため、巨大なセットを作る必要があり、ハリウッドへ。

・ スタジオを作り、大掛かりなセットを組み、室内で映画を撮影する。ジョルジュ・メリエス(世界初の職業映画監督)による、フィルムを重ねる編集方法が誕生。→『ヒューゴの不思議な発明』

【作品】サイレント全盛
『月世界旅行』(1905)
『さびしき山荘』(1909)シーンとショットの確立
『散り行く花』(1916)
『カリガリ博士』(1920)キュビズム

・ソ連が世界初の映画学校作る。
エイゼン・シュタイン監督登場 → 『戦艦ポチョムキン』(1925)オデッサの階段(『アンタッチャブル』『未来世紀ブラジル』でオマージュ。みんな真似したい名シーン!)
『メトロポリス』(1927)未来派
SFのエポックメイキング → スチーム・特撮に影響 超格好いいぞ!

【トーキーの誕生(27年)】(上映に合わせて音楽を流す)
『ジャズシンガー』『喝采』などのミュージカル映画も誕生
『蒸気船ウイリー』(28)ディズニー登場! 音楽と動きの融合

3 古典的ハリウッド映画(1930〜1940年代)

・ シーンとショット・字幕・ショットのスケール・パン(左右)とティルト(上下)・アイラインなどの考え方が生まれる。
・ 古典的ハリウッドの型 連続性

1 時空間の連続性と物語進行の連続性の混乱がないストーリー
2 登場人物の心理の動きが中心となる物語進行

 平衡 → 事件  → 解決 みたいな流れ

ジャンルの登場

【コメディ映画】
物語で笑わせるチャップリン
『担へ銃』多分、映画で初めての夢オチ

仕掛けや動きで笑わせるバスター・キートン
『探偵学入門』ドリフみたいに家が倒れてきて、窓の所に立ってたから無事みたいな

【ギャング映画】
『暗黒街』『仮面の米国』『汚れた顔の天使』

【ホラー映画】
『フランケンシュタイン』『魔人ドラキュラ』『キング・コング』

【特撮映画】レイ・ハリーハウゼンの登場
『原子怪獣現る』(核実験で怪獣が誕生する映画。『ゴジラ』の前年)
『シンドバッド』『タイタンの戦い』

・ 音声を入れられるようになり、表現の幅が広がった。これにより、文化として先人を切ろうという動きが生まれる(映像製作倫理規定が作られる)

【名作を映像化】
『アンナ・カレリーナ』『椿姫』『ロミオとジュリエット』『風と共に去りぬ』『オズと魔法使い』『駅馬車』

・ 40年代 オーソン・ウェルズVSヒッチコックの時代
・ WWⅡ以降、亡命してきた映画人たちがハリウッドへ合流

テレビなどのメディア普及により衰退。赤狩りも。

4 フィルムノワール(1940年代後半〜50年代)

画面が暗く、物語も陰鬱。ファム・ファタールが男を惑わせ、身を滅ぼす。

【作品】
『マルタの鷹』『ハイ・シエラ』『カサブランカ』『サンセット大通り』

・ フラッシュバックとボイスオーバーの登場

5 スター誕生(50年代〜60年代)

テレビの登場 VSテレビになるので、大作映画を撮るようになる。

独占禁止法により、独立系の制作会社 → 配給はハリウッド という形態になり、以降より多様なものが作られるようになる。

プロデューサーの統括のもと、作業ラインに沿って組み立てられる「プロデューサー・ユニット・タイプ」から、プロデューサーをコーディネーターとして、出演者、脚本家、監督、スタッフなどがプロジェクトごとに集まる「パッケージ・システム」の制作方式に変わる。

WWⅡの英雄アイゼンハワーが大統領に就任、経済成長を推進し、福祉政策を充実させて「豊かなアメリカ」を国内外に誇示。だんだんコメディタッチのものやミュージカル映画(『サウンドオブミュージック』や『スタア誕生』)がブームに。ドライブ・イン・シアターも生まれ、家族やカップル向けのB級映画が好まれるようになる。

・ 映画スターの時代
グレース・ケリー、オードリー・ヘップバーン、マリリン・モンロー
マーロン・ブランド、ジェームス・ディーン、エルビス・プレスリーなど

・ちなみに 日本では小津・黒澤・溝口健二など

6 ヌーヴェル・バーグ(1950年代末〜60年代)

ちょっとフランスの話。

下積み経験なしで映画を制作し、発表するムーブメントが起こる。ロケ撮影・即興演出・実験的な映像などが特徴。

・ジャン・リュック・ゴダール
『勝手にしやがれ』『小さな兵隊』(モンタージュやメタ)

・ フランソワ・トリュフォー
『大人は判ってくれない』(大作映画へのカウンター小規模ドラマ)

7 スペクタクル映画(1960年代)

映画がワイドスクリーンになり、より娯楽性の高いものが求められるようになる。

【作品】
『ウエスト・サイド物語』『マイ・フェア・レディ』『サウンド・オブ・ミュージック』『ベン・ハー』『十戒』など。

8 アメリカンニューシネマ(1960〜70年代)

私はアメリカンニューシネマが大好き。主人公が悪人で、最後めちゃくちゃ撃ち殺されるのが多い。スッキリ! じゃなくて、寂しくなるというか切なくなるというか、心に抜けない棘が刺さる感じがする。
若者による規制価値観の打破運動、黒人解放運動、公民権運動、ベトナム戦争反対運動などの影響を受けた作品が目立つようになる。

・特徴はバッドエンド、弱者が強者や大衆に完膚なきまでに負ける、人間の弱さ

【作品】
『俺たちに明日はない』『明日に向かって撃て!』『イージーライダー』『タクシードライバー』『卒業』

・ちなみに日本では、大島渚やアートシアターギルド

9 スター作家とエンタメの時代(1970年代〜)

・ 大作主義は名作に繋がらない、収益に結びつかないと学ぶ。

年間500本近く制作していえたものを、150本程度にしぼって企画を練り、スタッフや監督の選択が重要になる。(スタンリー・キューブリック、ロバート・アルトマン、デヴィッド・リンチなどが台頭)

・ 幼い頃から劇場やテレビを通して映画作品に慣れ親しんできた「映画小僧」の活躍(フランシス・コッポラ、スピルバーグ)。

・ 「パッケージ型」の制作が、テレビとの関係強化で洗練され、映画の宣伝や二次的、三時的利用されていく。

【作品】
『真昼の死闘』『ダーティハリー』『ロッキー』『フレンチコネクション』『イレイザーヘッド』『ゴッドファーザー』『アメリカン・グラフィティ』
あと、マカロニ・ウェスタン(いわゆる、イタリア製西部劇)

【スピルバーグとルーカスの時代】
古典回帰 さらば社会派って感じ!
『激突!』(スピルバーグデビュー作・72年)
『ジョーズ』(75年)『未知との遭遇』(77年)
『スター・ウォーズ』(ルーカス・77年)

・ プロダクションコードが50年代以降正直、役割をはたしてなかったので、「レイティング・システム(R指定ってやつ)」を導入。
【作品】
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』『エクソシスト』『キャリー』『オーメン』
R指定が生まれたことで、ホラーの挑戦が始まった気がする。

10 技術革命とミクスチャー(90年代)

【CGがメインの映画が誕生】
『ジュラシックパーク』(93)
『トイストーリー』(95)
94年にドリームワークス設立

【タランティーノ登場】
映画大好きアーカイブチルドレンの登場
『レザボアドッグス』(92)『パルプフィクション』(94)

11 まだ増える新しい手法(90〜00年代)

【モキュメンタリー】(ドキュメンタリー風映画)の登場
『ブレアウィッチ・プロジェクト』『REC』『グレイヴ・エンカウンターズ』『パラノーマル・アクティビティ』『クローバー・フィールド』『クロニクル』

12  現在 4DXや応援上映

座席がガタガタ揺れたり、スモークがたかれたり、みんなでペンライト振りながら「がんばえー!」と言ったり、劇場が体験する場所にもなっている?

以上、ざっくりアメリカを中心とした映画史でした。
書いたけど、ダメだな。一つ一つの時代や作品をフォーカスして話したくなってくる。タイトルだけ言って感想を言わないっていうのはきついな。話したい。

というわけで、お読みいただきありがとうございました!
ではではまたまた



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如月新一
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