しょうせつ道7

如月新一のしょうせつ道7(裏道)

最近、『岡崎に捧ぐ』にはまっていて、世代も地域も近いからなのか、すごくシンパシーを感じています。

というわけで、俺も今回は『斎藤に捧ぐ』という感じで、マイクレイジーフレンズ、斎藤くんとの思い出を話そうと思います。

俺は中高一貫男子校という六年間地獄コースを歩むことになりました。
お互いの人生で一番恥ずかしい時期を共有しているので、歳をとって集まっても彼らとの関係は変わりません。これはすごく良いことだと思います。なにを格好つけて話しても、「でもこいつ中学のとき嘘彼女の話してたよな」とか思って笑えます。

中学から、俺・河野くん・斎藤くん・高木くん・岩谷くんという5人でよく遊んでいました。
新入生合宿が同じ部屋だった5人だった気がします。みんなでお菓子の分け合いっこをしながら親睦を深める中、斎藤くんだけ頑なに一人でポテチを食べています。
「わけあおうぜ。友達できないぞ」と俺が声をかけると「いなくていい!」と言われました。

まさかの断言!

でも結局、俺たち5人はフレンズになりました。

法政二高にいたので、成績が悪くなければ、ストレートに法政大学には入れます。
が、法政大学に無事に進学をしたのは斎藤くんだけでした。

俺は受験をしましたが、他の三人はみんな馬鹿だったんです。

そんな斎藤くんは常識人だったかと言うと、一番クレイジーな人種です。
武蔵小杉駅のマクドナルドで水とスマイルを注文し続け、出禁になったのを彼しか知りません。
みんなで動物園に行ったのに、木陰のベンチで遊戯王をしてるのを、斎藤くん・高木くんしか知りません。
彼の行動原理は、ウケるかどうか? です。ウケるためなら、体を張ります。
かといって、周りの注目を集めたいタイプでもない。謎。
身内を笑わせるためなら、遊びに行くのにサバゲー用の迷彩服で現れる男です。謎。

あと、俺の言いなりになってくれるので、頼りになります。こないだも「確定申告手伝って」と頼んだら、いやいや手伝ってくれることになりました。
あと、斎藤くんの家でしょっちゅうガンダムのゲームをやっていました。途中駅だったので、みんなが集まりやすかったんです。斎藤くんのお母様は、うちが溜まり場になっている、と心配していたようです。その節は、すいませんでした。
今でも年に1度くらいのペースで、五人集まって『魔界村』をクリアするまで帰らない!! とかやってます。

さて、斎藤くんとの思い出深い話は、高校卒業式の日です。
俺たち五人、こうしてみんなで帰ることはもうないのだな、としみじみし、俺は「このまま横浜駅まで歩いて帰ろうぜ!」と提案しました。(学校は武蔵小杉駅)
河野くんは普通に帰りました。
高木くんと岩谷くんは、ゲーセンに行きました。
斎藤くんだけは、俺のクレイジーな発想に付き合ってくれました。あいつは俺の言いなりになってくれるのです(ジャイアニズム)。

歩いてみて驚いたことは、電車は速いということです。
俺たちが橋を渡っている間に、電車が二、三本は通り過ぎて行きます。俺たちは便利なものに乗っていたんだなぁ、と文明の素晴らしさを思い知らされました。
そうこうしていたら、あたりは段々暗くなり、何故か怖い話をする流れに。

「そう言えば、小学生の頃の怖い話って、理不尽だったよな」
「ああ、赤か青か聞かれて、切り殺されるか、血を抜かれるか、とかあったよね」
「もし、あのトンネルの向こうから、でかい鎌を持ったババアが出て来たらどうする?」

斎藤くんが、なぜ『でかい鎌を持ったババア』の話をしたのかわかりません。
でも、俺たちはくたくたに疲れていて、あたりに街灯もなくて、日も沈んでいて、トンネルは薄暗くて、本当に『でかい鎌を持ったババア』が出てくるような雰囲気です。
あのトンネルの向こうから、『でかい鎌を持ったババア』はやって来る。慄然としました。

やばい、このままだと殺される!!

二人でトンネルを駆け抜け、『でかい鎌を持ったババア』とエンカウントしないように、ひたすら大通りを目指しました。

これが、高校最後の帰り道です。

結局、9時間くらいかかって菊名駅に到着。

どうする? 菊名から横浜まで続ける? 俺たちの中で答えは決まっていました。

ノーです。中止です。

俺たちは卒業式に挫折感を覚えながら、東横に乗り、帰路につきました。

が、この経験のおかげで、俺は酔って終電を逃しても、意地でも歩いて帰るという人間になりました。
特技:健脚、を身につけたのはこのときです。
フォーエバーフレンズ、斎藤くん。
今度、またゲームやりに行くね。『オプーナ』とかどうかな?

さて次回あたりから、そろそろまた小説の話もします。
ヘビーな話なので、言葉を選ぶのが大変なんですよ!

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ではではまたまた


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作家です。著作『放課後の帰宅部探偵 学校のジンクスと六色の謎』 読んでる間は楽しくて、読み終わったら何かが残る、面白い小説が好きです。 http://papermoon.gloomy.jp/index.html
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