『あくまでも探偵は』(講談社リデビュー小説賞受賞作)

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ケーキは食べたらなくなる

 閑古鳥が鳴いていると思っていたら、店に鶴がやってきた。

 ドアが開き、若い男の子が現れる。すらっとしていて、綺麗な顔をしていた。モデルや俳優のような、気品や風格を纏っている。

「ひらっしゃいませ」思わず、声が裏返ってしまった。

 鶴はにこりと自然な笑みを浮かべて、ショーケースの前まで移動する。腕を組む姿が様になっていた。ここが町のケーキ屋じゃなくて、映画のセットなんじゃないかと感じ、背筋が

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